ショートプログラム(SP)首位の金妍児(20)は、ジャンプにミスが出て194・50点で2位だった。
韓国民謡の「アリラン」が、壮大なラストへと金を導く。フリーの曲「韓国へのオマージュ」は、自分を支えてくれた韓国の人へのラブレターだ。「今は、終わってホッとしている」。ようやく金の表情が和らいだ。
表彰台で、複雑な涙が金の頬を伝った。敗れた悔しさか、ホッとした安堵(あんど)感か。2位に終わったが「厳しかった今季に打ち勝つことができて、本当にうれしい」と、言葉を詰まらせた。
バンクーバー五輪後、何度も悩んだ。「なぜ競技を続けなければいけないのか」と、引退と現役続行に何度も揺れた。しかし「今まで支えてくれた人たちに感謝を示したい」と、世界選手権だけの復帰を決めた。
演技に関しては、1年1カ月も実戦から離れたことで「さすがに緊張した」。「ミス・パーフェクト」とも称されるヨナ神話が崩れた。公式練習では完璧だったジャンプも、SPとフリーでミスが続き、07年世界選手権の時と同様に、安藤に逆転を許した。
6~8日に、韓国ソウルで、アイスショーに出演する。演じるのはエキシビションで使用する「Fever」だ。「五輪も世界選手権も制し、願うものはすべてかなえた」。来季の予定は「全くの白紙。分からない」。歴史に残る銀盤の女王が、その妖艶な舞台から降りる時も、そう遠くないのかもしれない。
[2011年5月1日9時6分 紙面から]
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